第369章

ボールプールで遊び疲れたのか、ククは満足げな様子で前田南に両手を伸ばし、甘えた声を上げた。

「ママ、抱っこ」

前田南はやれやれといった体で吐息を漏らすと、愛おしげにその小さな鼻先を軽く指で弾く。

「本当に甘えん坊なんだから。ママはあなたに弱いのよ」

彼女がククの手を片方握り、もう片方の手を取って引き上げようとしたその時、望月琛が一足先にその小さな手を握り締めた。

二人は力を合わせ、ククをボールの海から引き上げる。

ククは嬉しそうに部屋の中をくるりと一周回ると、二人の懐へと飛び込んだ。

「パパ、ママ、だーいすき!」

前田南は娘の頬を優しく撫でる。

「クク、ママも愛してるわ。あ...

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